そこに含まれる腸内細菌には、廃棄植物を効率良くバイオ燃料に転換できる可能性があるというのだ。
この研究は、パンダの保護活動にとってもメリットがある。
「持続可能なエネルギー源を新たに探す試みは、パンダの糞に含まれる細菌によって解決できるかもしれないと分かった」と、研究を率いたミシシッピ州立大学の生化学者アシュリー・ブラウン(Ashli Brown)氏は、アメリカ化学会(ACS)の会合で9月10日に発表した。
「絶滅危惧種(のパンダ)から学べることはまだたくさんある。このことから、絶滅危惧種の保護の重要性は明らかだ」。
トウモロコシや大豆などの食用穀物から作られるバイオ燃料は、食料の供給量と価格に影響を及ぼす可能性が懸念されている。
また、生産過程を考慮すれば、こうしたバイオ燃料は結局、石油の場合よりも多くの二酸化炭素(CO2)を排出しているのではないかという議論もある。
そこでバイオ燃料の原材料として注目されるようになったのが、トウモロコシの軸などの廃棄植物だ。
しかし、これらの原材料を効率的かつ経済的にエタノールに転換できるようにならない限り、セルロース系バイオ燃料は主流とはなりえない。この問題に、パンダの消化器官が有益なヒントをくれる可能性がある。
「(パンダの腸内の)細菌は、(バイオエタノールの原材料となる)バイオマスの分解にきわめて適している可能性がある」と、共同研究者のキャンディス・ウィリアムズ(Candace Williams)氏は言う。
この研究はもともとウィリアムズ氏が数年前に始めたものだ。
◆パンダの消化器官は強力
現在、廃棄植物からバイオ燃料を生成する場合は、植物の茎や軸などの堅い組織に、熱や圧力を加えるか、酸で処理するなどして分解して単糖類を作り、これを発酵させて完成となる。コスト効率を上げるのが難しい工程だ。
細菌の利用によって、この工程をより速く、より安価に行える可能性がある。
特に効果的だと目されているのが、パンダの体内に住むバクテリアである。
何しろこれらのバクテリアは、おとなのパンダが1日に食べる約9~18キロもの竹や笹を処理しているのだ。
ブラウン氏とウィリアムズ氏は、テネシー州のメンフィス動物園で暮らす2頭のジャイアントパンダの糞から、これまでに40種類以上もの腸内細菌を特定している。
「パンダに注目したのは、その食生活のためだ。パンダは非常に珍しい動物で、生理的には肉食動物に近いのに、草食動物と同じようなものを食べている。竹のセルロースからの栄養摂取を可能にしている微生物について研究すれば、バイオ燃料の最大の問題の1つを解決するのに利用できるかどうか確認できる」とウィリアムズ氏は言う。
パンダは体の大きさの割に消化管が短く、ウシなどと違って胃が1つしかないとウィリアムズ氏は言う。
「つまり、バクテリアがそれだけ速やかに食物を分解できているはずだ。きわめて効率が良いはずで、バイオ燃料の生成にも期待が持てる」。
パンダは竹や笹の堅い茎も柔らかな葉も、どちらも口にする。腸内にはさまざまな種類の細菌が存在し、食生活の変化に応じて、それぞれ数が増減するとウィリアムズ氏は言う。実験室環境では、これらの細菌の一部は、糖類を生成するだけでなく脂質も蓄積したが、これは脂肪酸の生成につながるため、バイオ燃料の生成にとって必要だ。
腸内細菌だけでなく、そのはたらきに作用する酵素も、バイオ燃料の工業的生成のコスト削減に利用できる可能性があると研究チームは話している。
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以降に続きます)[1/2]
ソース:ナショナルジオグラフィック(September 11, 2013)
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20130911001
画像:ジャイアントパンダ
の続きです)
◆バイオ燃料研究のさまざまな可能性
廃棄物を環境に優しいエネルギーとして利用しやすくするための研究対象として期待されているのは、パンダの糞だけではない。
廃棄植物からの燃料生成にすでに成功しているプロジェクトも存在する。
今年に入って、ミシシッピ州に拠点を置くKiORは、マツの木屑を原料とするセルロース系ディーゼル燃料の出荷を開始した。
商業ベースでの生産は世界初と同社は主張している。
「エレクトロ燃料」といって、植物原料なしでバイオ燃料を生成できるようにする実験も行われている。
微生物を遺伝子操作して、液体燃料となる化学物質を直接排出できるようにしたものだ。
こうした研究のいくつかは、米国エネルギー省の助成を受けている。
藻類や動物性油脂を将来のエネルギー源として利用しようとする研究もある。
ブラウン氏とウィリアムズ氏の研究チームは、今後はトロント動物園の2頭のジャイアントパンダからも排泄物の提供を受け、腸内細菌の研究を新たな段階に推し進めるという。
ブラウン氏はACSでの発表の中で、この研究はバイオ燃料の生成にとってだけでなく、パンダにとってもメリットがあると説明している。パンダのかかる疾病の多くは消化器官のものなので、腸内細菌の詳細な分析によって、健康を保つ方法が見つかるかもしれないのだ。
「パンダと細菌の関係を理解し、エネルギーと栄養をどのように吸収しているか知ることは、保存の観点から見てきわめて重要である。ジャイアントパンダは野生環境では2500頭以下、保護されているものも約200頭しか存在しない」。
【おわり】[2/2]
理にかなっているな
確かに竹を食べる動物はそういないからな
竹の子ならたくさんいるけど。
無理やりくっつけるなよ
それはともかく糞の出来る微生物やらシステムを理解すれば人工的にできるかもしれないね
日本でもパンダのフンでイグ・ノーベル賞もらった先生いたからな。
その方が書かれたのあったわ
http://www.rikasuki.jp/rika_no67/rika_no67.htm
スレタイが紛らわしい
中国ってジャイアントパンダを使った外交を展開してやがるが
確か全て中国からの貸し出しという形にしてるよな?
そして生まれた子供も、中国のパンだとして登録してるよな?
今後はパンダの糞から得られた微生物すら中国の財産、
それを使ったバイオエタノールの販売利益は中国と折半
もししなかったら経済制裁、関税引き上げ
そんな事をやりかねんぞ
そうでもせんとあいつら食っちまうのか?
こないだもマレーシアの動物園と契約結んでいたよ
そしてマレーシアも縛られる
オランダ語系北部とフランス語系南部の地域間対立が深刻化しているベルギーで、
中国から貸与されるパンダが政治問題となっている。
ベルギーのメディアによると、中国の李克強首相は11日、同国を訪問中のベルギーのディルポ首相に、
パンダのつがいを南部地域のブルジュレットの自然公園に貸与すると伝えた。
これに不満を募らせているのは北部のアントワープ動物園。1980年代後半に短期間パンダを飼育した経験があるが、
2000年代前半には「外交的理由」で中国から貸与の合意が得られなかったとされる。
またブルジュレットがディルポ首相の地元に近いため、
北部の分離独立を主張する政党の議員からは「首相が外交を使い、ひいきしたとの印象をぬぐえない」との声も上がった。
首相報道官は「ブルジュレットの自然公園は12年に中国側に貸与を申請したが、アントワープからは出ていない」
と述べ公平性に問題はないと強調した。パンダは2頭。到着は来春で貸与期間は15年。(共同)
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20130912/frn1309121154001-n1.htm
日本の電力をまかなえや
つまり日本人のうんこが最適
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