この恐竜、リトロナクス・アルゲステス(Lythronax argestes、「南西部の血の王」)は、かつて北アメリカ西岸を獲物を求めてのし歩いていた。短い鼻面、分厚い歯、前向きの目、小さな前脚と、約6800万年前に生息したT・レックスと同じ特徴を備えている。
8000万年前に生息したリトロナクスは、体長7.3メートル、体重約2.5トンと大型だが、大きさではT・レックスに劣ると、今回の研究を率いたユタ大学のマーク・ローウェン(Mark Loewen)氏は述べる。
T・レックスは、体長約12メートル、体高約4.6~6メートルに達した。
「したがって、ティラノサウルスとトリケラトプスで知られる、捕食者と被捕食者との闘いも、既にそれより1400万年前、リトロナクスとディアブロケラトプスによって演じられていた」とホルツ氏は述べる。
◆公有地から発見
今回報告されたリトロナクスの頭蓋骨その他の化石は、ユタ州カナブにあるグランド・ステアケース・エスカランテ・ナショナル・モニュメントに勤務する、米国土地管理局の職員によって発見された。
その後1年間の慎重な作業を経て2010年に発掘されたとローウェン氏は述べる。
「今回と同じパターンで、最近ではティラノサウルスと同時期、同地域に生息した、角とカモのようなクチバシをもつ鎧竜(よろいりゅう)が発見されている」とホルツ氏は述べる。「新しい場所や時期を調べるほどに、新しい種が見つかる」。
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▽画像 ユタ州南部で発見され、“血の王”と名づけられたこの恐竜は、有名なティラノサウルス・レックスと同じ系統に属する。
Illustration by Andrey Atuchin
▽記事引用元 ナショナルジオグラフィックニュース(November 7, 2013)
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20131107001
▽PLOS ONE
「Tyrant Dinosaur Evolution Tracks the Rise and Fall of Late Cretaceous Oceans 」
http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0079420
続き)
◆王様の発見
「当然、“王”を名前に入れたかった」とローウェン氏は述べる。「リトロナクスはT・レックスの直接の祖先ではないが、さらに前の時代の祖先が共通であることは明らかだ」。
すなわち、当時は「ララミディア」という、アラスカからメキシコにまたがる独立した大陸だった北アメリカ西部が、ティラノサウルスの系統のルーツだということになる。
「巨大で、分厚い歯と丸い鼻面をもつティラノサウルスの系統は、最近まで恐竜時代のかなり終盤に登場したと思われていた」と、メリーランド大学カレッジパーク校の恐竜研究者トーマス・ホルツ・ジュニア(Thomas Holtz, Jr.)氏は述べる。同氏は今回の研究に参加していない。「リトロナクスの発見により、このような特徴をもつ恐竜が、もっと早くから存在していたことがわかった」。
◆進化のボトルネック
研究を指揮したローウェン氏はそのほか、進化の過程において、一部の種は独立した大陸に孤立したことを指摘する。このことは、ティラノサウルスの力強い顎など、有利な特性の発達を促した。
そして、T・レックスやタルボサウルスなどの大型恐竜がアジアや北アメリカ全土に広く分布したのは、約6600万年前に最盛期を迎えた恐竜時代の末期など、大陸の結合が進んだ時期だ。
これと同じパターンをたどったと思われるのが、草食の角竜ケラトプス科の系統だ。例えば、8000万年前に生息したディアブロケラトプスは、当時のティラノサウルスの系統の恐竜に捕食されていたと考えられる。
今回の研究成果は、米オンライン科学誌「PLOS ONE」に発表された。
(以上本文引用ここまで)
しかも巨大だ
白亜紀後期の北米のティラノサウルス類は、
思ったよりも種類が多そうですねぇ。
獲物に合わせて適応放散したのだろうか?
そんなものは無い
選り好みなんかしてられないそれが肉食動物ってもんだわな、ライオンもハイエナもオオカミもそんなだし。
まあこいつらは流石に草は食えそうもないないが、コエルロサウルス類にはパンダよろしくそっちの道に走ったやつらすら
大勢いるという。
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